足立区 関原「杉田豆腐屋」の職人紹介

杉田とうふ屋 三代目店主/杉田 精一

正直、将来 豆腐屋を継ぐか迷った時期もありました。

正直、将来 豆腐屋を継ぐか迷った時期もありました。

祖父(初代:光吉)も父(二代目:寿)も豆腐屋でしたから、子供の頃から家の手伝いで常に豆腐には触れていました。

長男でしたから、なんとなく「継がないといけないかな」という気持ちはありましたが、英語が得意だったもので、通訳や翻訳の仕事にも憧れ、将来に迷った時期もありました。

夜学で大学に通いながら、昼は豆腐屋の手伝いと二足のわらじでおりましたが、大学4年の時に父が肺を悪くし入院。「これはもう自分が継ぐしか、この店を守れない!」と本格的に豆腐屋の修行を始める事に決心しました。

とにかく毎日が必死で、父に近づくことだけを考えていました。

とにかく毎日が必死で、父に近づくことだけを考えていました。

私に負けず劣らず無口な父で、仕事は見て覚えろという姿勢。
必死に見て覚えるのですが、何せ肝心なところは職人の感覚がものを言います。修行から18年が経っていましたが、どうしても父のようにはいきませんでした。

「いつかは父のような豆腐を」と思っていた矢先、父が急逝。

まだ何もつかめていません。残っているメモなどもありません。
それからは、気温、水温、分量、時間を細かくメモにとりながら、味に近づくように試行錯誤を繰り返しましたが、このときは本当に必死でした。

そしてようやく納得のいく味が完成したんです。

守るべきは味と、ひとつひとつの仕事を「丁寧に」の心。

守るべきは味と、ひとつひとつの仕事を「丁寧に」の心。

同じく別の豆腐屋を営む叔父から、「ついに親父を越えたな」と言われた時には、本当に嬉しかったですね。
私自身は、これできちんと代々の味を受け継げたという思いでした。

受け継いだといえば、無口だった父が繰り返し言っていたのが「丁寧にやれ」というひと言。その想いはずっと意識しながら仕事をしていますね。仕込みはもちろんですが、掃除も毎日徹底的にやります。やっぱり気持ちのいい店で美味い豆腐を買ってもらいたいですし、そういうのは味にも出ますからね。
ひとつひとつの仕事を「丁寧に」。これからも守り続けていきます。

趣味・特技/釣り、ドライブ(大学時代はワンゲル部)
自分の性格/とにかくマジメだと思います
出身校/関原小学校 足立第七中学校  国学院高校 → 東洋大学 卒
足立区豆腐組合 青年部部長、元・東京都豆腐商工組合 副会長

 

杉田 邦子

杉田 邦子

高校卒業後会社勤めをしましたが、実家が特殊な工具を作る鍛冶屋で、多忙であった為、実家の事務を手伝うことに。

実家の製品は上野の科学博物館に「昔の工具」として展示されています。
結婚を機に扱う物が固くで重い鉄から白くて柔らかいお豆腐へ。慣れるまでは大変でしたが、お客様からの「おいしかったよ」という声が励みになり、頑張ってこられました。
当店にお見えになるお客様は年配の方が多く、若い方にもうちのお豆腐や揚げ物の良さを知って頂きたいと思い「豆腐屋スイーツ」を考えました。
お陰様で今では若いお客様も増え、若いお客様からも「スーパーでこの味のお豆腐は買えない」と言って頂けるようになり、嬉しい限りです。
これからも健康に良い豆腐を使って、お客様に喜ばれる商品を考えて行こうと思っています。

出身地/足立区 西新井(近所です)

出身校/西新井第一小学校 足立第五中学校  都立足立高校 卒
尊敬する人/母(我慢強く、努力家な所)
趣味・特技/園芸

豆腐屋の娘よりの「推薦文」

小さい頃から大人になった今でも、「うちは豆腐屋なんだぁ」と話すと、10人が10人皆が言う言葉。
「じゃあ、お父さんとお母さん、朝早いんでしょう?」
お豆腐屋さんのイメージと言えば、『朝早い!』この一言だと思います。

でも、本当なんです。夜明け前4、5時…。もっと早い日は3時位から仕事を始めます。
そして、とにかく休みが無い!土曜日も祝日も仕事。定休日である日曜日でも月曜からの仕込み等で仕事をしたり。なので、子供の頃は周りの友達が羨ましかった事もありました。

うちの両親は二人とも足立区出身。なので、田舎がない私は夏休みもずっと家。
もちろん両親は二人とも豆腐屋仕事で大忙しなので、遊びに連れて行ってもらえる訳でもなく・・・。
友達と遊ぼうと思っても、田舎のおじいちゃん、おばあちゃんの家に行ったりで遊ぶ人もおらず・・・。

ただ、お店にも数日だけですがお盆休みや正月休みがあり、いつも家族旅行に連れて行ってくれました。
毎回家族旅行がとても楽しみで、ワクワク、ドキドキ!でも、父親は豆腐屋のことで頭がいっぱいなんですね。せっかく宿泊しても、休み明けの仕込みがあるからと宿をチェックアウトすると、ほとんどどこにも立ち寄らず、帰宅コース。子供の頃は『仕込みの時間が遅くなったっていいじゃない!どっか寄って遊んでから帰りたいよ〜!』と思ったものでした。
でも、その日の気温や天候によって仕込む時間を調整して、きっちり仕込みをしないと美味しい豆腐が作れないとのこと。だから、日曜日でもお盆休みでもお正月休みでも、常に豆腐のことが第一優先!そんな職人な父なのです。

職人な父と言えば・・・。とにかく職人気質なもので、愛想があまり無く・・・。きっと初めて見たお客さんは、『怖いな・・・』と思ってしまうのではないかと思います。でも、全ての生活が豆腐優先な父の作る豆腐は間違いなし!愛想の無さは豆腐の味でカバーです(笑)。


父と一緒に豆腐屋を切り盛りする母は物凄い冷え性。
豆腐屋は水仕事なので、冬になると足の指全部がしもやけになり、手の指までもしもやけに・・・。でも、父と一緒に美味しい商品を作ろうと日々奮闘しています。母の作る揚げ物は、油抜きなんてしたら勿体無い!料理のだしになる程美味しいのです。

豆腐屋の娘よりの「推薦文」

また、豆腐屋にもっと親しみを持ってもらいたいと、おからや豆乳を使ったスイーツを開発したりと、とても努力家です。杉田とうふ屋影の職人です。

私は、我慢強く、ガッツがあると人から言われることが多いのですが、それはガッツのある職人気質の両親を見て育ってきたからだと思います。

そんな両親の作る、杉田とうふ屋の商品達。美味しくないはずがありません。
二人の職人の味を口に入れていただければ、分かって頂けるのではないかと思います。

豆腐屋の娘より